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ソイプロテインを飲むと男性は女性化するのか?

ソイプロテインを飲むと男性は女性化してしまうのか?

「ソイプロテインを飲み続けた男性は女性化してしまう」といった話があります。

確かに「ソイプロテインを飲み続けた男性が胸が膨らみ女性化してしまった」とった話があります。

ただ、2005年の食品安全委員会の論文でも、2010年のメタ分析論文でも「ソイプロテインを飲んでも、女性化の心配はそんなに無いよ」といった研究データもでてます。

むしろ、ソイプロテインは安心して飲んで良いものです。

なぜソイプロテインを飲んでも男性の女性化に心配はないのか?

  • そもそも「ソイプロテインを飲んで胸が膨らんだ」といったニュースソースが怪しい
  • 2005年の食品安全委員会の論文にも、2010年のメタ分析論文では、ソイプロテインの安全性は確認されている
  • そもそも日本の昔の武士などは、大豆ばかりを食べてマッチョな身体を作っていた

なぜソイプロテインを飲んでも男性の女性化に心配はないのか?これだけの理由があります。順番に説明します。

そもそも「ソイプロテインを飲んで胸が膨らんだ」といったニュースソースが怪しい

胸が女性化し膨らみ始めた男性、原因はプロテインの過剰摂取 「自業自得」の声も

こちらの2020年のニュースを見て「ソイプロテインを飲むと男性は女性化してしまう」と思ってしまった人が多いようです。

ただし、このニュースはGlobal Timesを元に書かれた記事です。

Man starts growing breasts after taking excessive protein powder for gym workout

元の記事を読むと、そもそも「ソイプロテイン」とは書いていません。「プロテイン」としか書いていなくて「ホエイなのか?」「ソイなのか?」わからない状態です。

なぜ「ソイプロテインのみが危険」という事になっているのか謎です。

また日本語記事のソース元であるGlobal Timesは、別名「環球時報」と言って、中国共産党中央委員会の官営機関紙「人民日報」傘下のタブロイドです。

Global Timesに関しては「中国共産党の対外威嚇メディア」と表現する人もいます。情報のソース元としては一歩引いて見るのがセオリーのメディアです。

2005年の食品安全委員会の論文にも、2010年のメタ分析論文でも、ソイプロテインの安全性は確認されている

男性に豆腐、大豆イソフラボン含有錠剤、大豆タンパク飲料(40~119 ㎎/日)を
4 週間~1 年摂取させた場合、ホルモン系の数値に影響がなかった 73)74)75)。

日本人男性を対象とした別の試験においては、大豆イソフラボン(30 ㎎/日)を 2
ヶ月摂取した場合、エストロンに上昇傾向が認められたが、その他のホルモン値
に影響はなかった 80)。

大豆イソフラボンの安全性評価について(案)

2005年の食品安全委員会の論文では、このように記述されています。

男性が大豆イソフラボンを含む食品や飲料を4週間~1年摂取した場合でも、ホルモン系の数値自体には異常はみられませんでした。

また日本人男性を対象とした別の試験においては、大豆イソフラボン(30 ㎎/日)を 2ヶ月摂取した場合でも、エストロンの上昇傾向は確認されましたが、そこまで気にする程のことはありませんでした。

エストロンとは女性らしらを作るホルモンである、エストロゲンの一種です。思春期の女性の膣や子宮、乳房を成長させる効果があります。

食品安全委員会の論文は日本人男性を対象にした研究で、かなり信頼のおけるものだと思います。

Clinical studies show no effects of soy protein or isoflavones on reproductive hormones in men: results of a meta-analysis

さらに、海外の研究ですが2010年にメタ分析論文が出ています。主に以下のような事が分かりました。

  • ソイプロテインを摂取しても男性テストステロン、性ホルモン結合グロブリン(SHBG)、遊離テストステロン、遊離アンドロゲン指数(FAI)において有意な影響は検出されなかった
  • ソイプロテインだけでなく大豆食品やイソフラボンサプリメントを摂取しても男性のテストステロン濃度は変わらなかった

大豆イソフラボンを男性が継続的に摂取しても、別に男性ホルモンが減少するような心配は、ほとんどないのが分かったわけです。

大豆イソフラボンは女性らしい身体をつくるホルモンである「エストロゲン」と似た構造を持っています。

その観点からも「男性がソイプロテインを飲むと女性化してしまうのではないか?」と思った人もいたのですが、やはり根拠が薄いわけです。

ちなみにメタ分析とは「分析の分析」を意味します。「統計的分析のなされた複数の研究」を収集し「いろいろな角度からそれらを統合したり比較したりする」分析研究法、それがメタ分析です。

メタ分析論文は非常に信頼性が高いので、まずは最初に注目すべきは、こちらの情報ソースです。

そもそも日本の昔の武士などは、大豆ばかりを食べてマッチョな身体を作っていた

プロテイン(タンパク質)という物質が発見されたのは1938年と割と最近の話です。ホエイプロテインが開発されたのはアメリカで1970年代の話です。

日本においては1980年に株式会社・明治がプロテインの販売を開始しました。

昔はプロテインなんて便利なモノはなく、肉や魚などからタンパク質を摂取していたわけです。

ここで「じゃあ江戸時代や戦国時代は、どうやってタンパク質を摂取してたの?」と疑問に思う人もいると思います。

江戸時代や戦国時代は肉や魚など、そうそう頻繁にとれるものではありません。

冷凍技術もありませんから、戦などで遠征でもしようものなら「タンパク質不足」からの「筋力不足」で兵士がバタバタ倒れることも予想できます。

しかし、当時の資料を見ると、武士の身体は例外なく筋肉質です。甲冑は兜を含めて30kgはありますが、あんな重いものを着て武器を装備して移動してたわけです。

江戸時代の人の筋肉が凄い、バキ並み

実は、それを可能にしてたのは「味噌汁」だと言われています。

味噌汁の原材料は大豆です。昔の武士は魚も食べますが主に玄米と野菜入りの味噌汁を食べて、あれだけ屈強な身体を作っていたようです。

この大豆タンパク質で身体を作っていたのは日本だけではなく西洋でも同じで、肉などはめったに食べられるものではありませんでした。

ヨーロッパなどでは騎士は豆スープで、タンパク質を摂取していたようです。

このように歴史的観点から、もし本当に大豆イソフラボンの取りすぎで男性の身体が女性化するのなら、世界史の教科書にそのことが載るハズです。

男性にとっての大豆製品の安全性は、歴史が証明してると私は考えています。

ソイプロテインを飲むと男性は女性化するのか?:まとめ

以上「ソイプロテインを飲むと男性は女性化するのか?」について語ってみました。

ソイプロテインに関しては私も最初は警戒をしていました。ただ論文を読んで歴史的観点から調べてみても、特別マイナスな情報は見当たりませんでした。

ソイプロテインに関しては「意図的なネガティブキャンペーンがあるのではないのか?」と私は勝手に思っています。


ソイプロテインは実は男性の髪の毛に良い効果があります。そのことについて記事を書いているので、是非読んでみてください。

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