朝の有酸素運動前のコーヒーの効果
ランニングでもウォーキングでも「有酸素運動は朝にやると効果的」と言われてます。しかし、その際にコーヒーを飲む習慣をつけると、さらに脂肪燃焼効果は高まります。
なぜ朝の有酸素運動前のコーヒーは効果的なのか?
もともと「有酸素運動は空腹時にやると効果的」と言われていて、カフェインも「運動中の脂肪酸化を増やす」と言われていました。
さまざまな研究がされていましたが、科学的根拠が不足した状態でした。
ところが2021年にInternational Society of Sports Nutrition誌に掲載されたスペインのグラナダ大学の研究論文で有酸素運動とコーヒーの効果について、明確なことが分かりました。
「運動を始める30分前に濃いコーヒーを飲むと、脂肪燃焼の効率が向上する」ことが分かったのです。
グラナダ大学の実験内容
- 平均32歳の男性15人が参加
- 7日間隔で4つの異なる有酸素運動をおこなう
- 朝午前8時と夕方午後5時に、それぞれ3mg / kgのカフェインまたはプラセボを摂取して運動
- 運動量や運動前の絶食、その他の薬の利用など条件の均一化
グラナダ大学はこのような実験をおこないました。
結果として有酸素運動の30分前にカフェインを体重1kgあたり3mgを摂取することで、最大脂肪酸化率(MFO)が午前中に運動した場合は平均10.7%上昇しました。
また午後の運動に関しては、平均29.0%も向上したことがわかりました。
「脂肪酸化率」とは、どれだけ脂肪が燃えたかを表す脂肪燃焼率のことです。
この研究ではサンプル数も少なく、女性やデスクワーカーなど座位中心の生活を送っている人に関しては省かれています。まだまだデータが必要です。
ただカフェインによる脂肪燃焼効果の向上は、確かにあるとこの研究で示される形になりました。
朝の有酸素運動前のコーヒーのルール
- 砂糖やミルクは入れない
- コーヒーはホットで飲む
- コーヒー1杯分にとどめる(150ml程度)
朝の有酸素運動前のコーヒーは、こちらのルールを守ると効果的です。順番に説明します。
砂糖やミルクは入れない
砂糖やミルクに関しては、血糖値を乱高下させないことが目的です。コーヒーそのものには血糖値を下げる効果があったりしますが、砂糖には血糖値を急上昇させる効果があります。
おまけに砂糖には依存性もあるため、どんどん甘いコーヒーを飲みたくなってしまうので、なるたけブラックコーヒーで飲むようにしてください。
コーヒーはホットで飲む
人間は体温が1℃上がると、基礎代謝が12%~13%上がると言われています。
基礎代謝とは動かない状態での「呼吸・心臓の動き・体温維持」など生命活動を行うために最低限必要なエネルギーのことです。
人間の24時間あたりの総エネルギー消費量の約60%を基礎代謝が占めていて、基礎代謝を上げるようにすると効率的に痩せることができます。
コーヒーをホットで飲むだけで基礎代謝は上昇するので、朝の有酸素運動前はアイスではなくホットコーヒーがベストでしょう。
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コーヒー1杯分にとどめる(150ml程度)
コーヒーの最大の注意点は「飲みすぎ」です。
コーヒーは1日に5杯以上飲むのと「飲みすぎのライン」に入ります。睡眠の質を下げたり、胸がドキドキします。手足がしびれる原因にもなったりします。
カリウム濃度が低くなるので、コーヒーは飲みすぎれば筋肉のけいれんや筋力低下を起こすこともあります。
コーヒーは飲むと頭がスッキリした感覚になりますが、カフェインの摂取を繰り返すうちに、少量のカフェインでは脳へ働きにくくなってしまい、それが依存症の原因になったりもします。
特にデスクワーカーの方は仕事中や仕事の休憩時間にも、コーヒーを飲む機会が多いためカフェイン依存症になりやすい環境にいると思います。
コーヒーを飲むなら「朝の有酸素運動前の1杯に制限する」「コーヒー1杯飲んだら、あとはカフェインレスのルイボスティーやミントティーを飲む」などのルールを設定するのが良いでしょう。
朝の有酸素運動前にコーヒーを飲むことの効果:まとめ
以上、朝の有酸素運動前にコーヒーを飲むことの効果について、解説しました。
スペインのグラナダ大学の研究によると、朝ではなく午後に有酸素運動をしてコーヒーを飲んだ方が脂肪燃焼効果が高い事が示されています。
朝にこだわることなく、夜にコーヒーを飲んで有酸素運動をしてみても良いかもしれません。
ブラックコーヒーの詳細については、こちらの記事で書いています。是非読んでみてください。
有酸素運動はあまりにやりすぎると逆効果です。そのことについては、こちらの記事で書いています。是非読んでみてください。